尾崎神社(安芸区矢野西)

極楽橋から矢野小学校へ向かっている中の右手、小高い山の上に横長の敷地にある神社です。
この近辺では一番大きな神社で「矢野の神社」と言えばここに当たるのではないでしょうか?

長い階段を登っていくと矢野5丁目近辺を一望できる見晴らしの良い場所です。
境内まで真っ直ぐに石畳に手入れをされた境内は立派で、節目の行事等に矢野の皆さんは利用されるのではないかと思います。
別記で記した「日の出湯」や、「古い町並み」などの建物も上から見ることができ、ホッと一息つくことができます。
尾崎神社には3種類の狛犬がいて、玉乗り狛犬、鎮座した狛犬、たてがみや尻尾が派手な戦闘態勢の狛犬が出迎えてくれます。一つの神社でこんなにたくさん見られるなんて、なんて贅沢でしょうか。

尾崎神社からの眺め

この尾崎神社では10月の秋祭りが開催されます。この祭りは「頂戴」と言い、矢野で一番のお祭りとなり、御神輿や境内の神事、参道には露天などには普段では想像ができないほどの参拝客が集まり賑わいます。頂戴(ちょうだい)と書いて「ちょうさい」と読みます。読み易くするため「頂載」と書くこともあります。矢野の秋祭りの主役の一つとなる山車です。

起源は文化年間(19世紀初頭)にさかのぼり、最初は「町組・花上組・東組・浜組・中組・上組」の6基の頂戴があり、ぶつけあって喧嘩したと記録されています。昭和初期には3基が残っていたらしいのですがが、戦後は1基が頑張っていました。その1基も平成9年を最後に休止し、その後、保存会も解散された過去があります。

最後の1基「上(あげ)組」の頂戴は、本体が現存していたことから、有志が保存会を再結成、浄財を集めて本体を修理、平成23年、14年ぶりに復活したそうです。
頂戴の先頭は子どもたちがロープで引いていて、「はわせや、はわせや!」と掛け声を言うのですが、昔、山車に車輪が無く引きずって這わせていたことから「這わせや、這わせや!」という掛け声になったそうです。

また、「アゴ」と言う存在が「頂戴」祭りにいます。黒、赤、青の鬼がいて、矢野ではこの鬼のことを「アゴ」と呼ぶそうで、小さい子供を泣かせ、からかってきた子供には追いかけ回すという、子供時代のトラウマになりそうなお祭りです。ですから、子供たちの間では「鬼祭り」と言う別名で、楽しいような怖いような行事となっているようです。

しかし、行事のない時期や、平日なんかはとても穏やかで閑静なことから、時々、学生のカップルの憩いの場所になって青春の1ページを飾っていると聞きました。
一時期は祭りができない時もありましたが、こうした町のお祭りは思い出だけの存在にならないよう、ずっと残していって欲しいですね。

アクセス情報

〒736-0085
場所 広島県広島市安芸区矢野西5-5-39

広島県広島市安芸区矢野西5-5-39