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瀬野川の出迎えの松

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地元では「出迎えの松」と呼ばれ親しまれてきました。
この「出迎えの松」は、その昔、大阪と長崎を結ぶ西国街道の道筋にあたっており、五街道に次ぐ重要な幹線道路ということで、諸大名が五街道に習って要所に宿駅や茶店を置き、松並木を作るなどして整備をしていた名残だそうです。
「出迎えの松」の由来は、藩主の留守を預かった家来たちが、この付近まで出迎えをしていたからとも言われています。

初めて見たときは、まず違和感からでした。変な意味ではなく、ずっと長い川沿いに植えてある並木の種類とは違う存在感からくるものでした。「ああ、ここだけ松なんだ!」というのが素直な感想でした。

近くに車を停め、川沿いの散歩コースへ行き、下から眺めてみると様々な形の松が生えています。大きなもので樹齢100~250年とも言われるその松は、ずっとこの川の風景を見てきたのでしょう。
私が知っているここ十数年の間でも川の対岸の建物は大きく変わってきました。新しいお店や、会社の建物ができ、車の往来が激しくなり、道路が広げられ、反対側は変化が著しい。それに比べ、この「出迎えの松」の側は大きな変化がなく、良い意味で道が狭いままです。

撮影の合間に、松の横を通る道路を行き来する人をボーっと見てると、昔もこんな風に家来が藩主の帰りを待っていたのかなという妄想が浮かんできました。
この川沿いの散歩コースで運動を日課にされている人には良い目印にもなり、その変わらぬ佇まいに心和ませる事でしょう。
当たり前の風景があるという事はとても重要です。

私などはタダの見物人ですが、ここに住んでいる人には生活のどこかに必ず、この「出迎えの松」があったハズです。
いつまでも変わること無く出迎えてくれると良いなと思います。

アクセス情報

指定年月日 昭和49年2月18日
〒736-0085
場所 広島市安芸区中野一丁目80の地先、安芸中野駅を少し下ったところ